喫茶月影~時々ショッピングモール~

トット:「あーっ、逃げられちゃったよ、ししょー」
ピアニー:「なかなか逃げ足の速い怪盗であったな」
トット:「そんな感心してる場合じゃないでしょ、一大事だよ」
ピアニー:「もらい物の菓子の一つや二つでそう嘆くでない」
桜:「逃げられたって、誰か追いかけてたの?」
ピアニー:「あぁ、黄色い服の怪盗を」
トット:「あっちで折角貰った揚げ菓子を、袋ごと持っていかれちゃったの」
ピアニー:「お主らは見んかったか?」
燐:「さっき僕らも…そういえば、おるごーるでしたっけ? 結局盗られっぱなしで返してもらいませんでしたね」
千秋:「まー、あたしのじゃないし、知らない」
燐:「Σいいんですか、それで!?」
ピアニー:「お主らも被害者であったか…」
千秋:「まぁね。でも困ったら誰か捕まえに行くでしょ」
ピアニー:「ここには戦闘員は居らぬと聞いておるが?」
玉桜:「そうだけど、非戦闘員だからって甘く見ちゃいけないよね、うん」
桜:「なんか実感こもってるわねー」
トット:「ねーねーししょー。あっちの方から香ばしい香りがするよ!」
ピアニー:「食べること以外に考えることはないのかっ。全く…」
千秋:「まぁまぁ、とびっきりのお酒とか用意してあるかもよ?」
ピアニー:「う…」
桜:「ねぇ、ところで十六夜は?」
燐:「あれ、そういえばどこに行ったんでしょう?」
トット:「きっと匂いに釣られて行っちゃったんだよ! 僕らも行こうよ、ねぇ、ししょー」
ピアニー:「お主ではあるまいし。これ、もう少し大人しくしてはおれんのか」
千秋:「それにしてもどこ行っちゃったのかしらね、十六夜ちゃん。ちょっとあたし探してくるね」
玉桜:「あ、うん、お願い」
桜:「どーせはしゃぎすぎて迷ったとか、そんなことだとは思うけどね」
ピアニー:「そうであったそうであった。収録室を探しておるんだが、場所を教えては貰えんか?」
桜:「…」
燐:「…」
玉桜:「…Σあれ、私か。えっと(周囲を見回す)……モールに収録室? え、普通ないよね…?(汗)」
ピアニー:「そこで待ち合わせをしておるんだが…」
玉桜:「…ごめんなさい、私もここ初めてなんです」
ピアニー:「そうか、ならば仕方があるまい。行くぞ、トット」
トット:「はーい、案内なら任せて!」
ピアニー:「お主に任せると財布が軽くなるばかりで目的地にさっぱり辿り着けんではないかっ」
桜:「苦労してそうねー」




***
クリスマス準備編第四回は、秋待 諷月さん宅「弦月の仮宿」シリーズ小説「歪みの伝導師」よりピアニーさんとトット君のお二人をお招きしております。
なんか、食べ物の話ばかりですみません? このお二人って、私の中ではこんなイメージです(苦笑)
それと今回何故か不在の十六夜さん。彼女は性質の悪いキャッチセールスに捕まってしまったのかと思われます。それはまた別の機会に。
…違った、また後日やります。





拍手お礼

勝:「ん? あの大男、どこ行ったよ」
華鏡:「大男って、雪風のことかい? ふらりとどこかに行って、そのまままだ戻っていないようだね」
勝:「そう、それ。それと、あんたは行かないんだ?」
華鏡:「華やかな場所は苦手でね…君は?」
勝:「俺? 買い物には興味ねぇけど…あ、あそこのモールって電子機器類も置いてあるのか?」
華鏡:「行ったことがないからなんとも言えないけど…あると思うよ」
勝:「ゲームとか? 科学コーナーとか? 電子回路基板とか?」
華鏡:「…普通のモールに置かれてないようなものは、やっぱり難しいんじゃないかな…?」
勝:「ちっ。じゃあ行く意味ないな、寝てる」
華鏡:「あぁ、お休み。…雪風は本当にどこまで行ったのかな」





月影草