〜夏祭り@喫茶月影〜

エベル:「むー」
ユリ:「どうしたんですか、エベル?」
エベル:「ハクの奴が遊んでくんなかった」
ユリ:「…えぇっと?」
エベル:「さっきビリヤードの再試合を申し込んだのに、あっさりと『嫌だね』とか言いやがったんだぜ!?」
ユリ:「そういえば、以前も似たような言伝を預かって来ていましたね」
エベル:「酷くね!? 俺、あれから練習して、玉も真っ直ぐ突けるように…」
ユリ:「なったんですか!?」
エベル:「…五割くらい」
ユリ:「五割じゃ…相手にしてもらえないでしょう…」
エベル:「何で!? 成功率あがったってのに!?」
ユリ:「とは言っても、五割ではゲームになりませんから」
エベル:「じゃあ何割になったら相手して貰えんだよ!?」
トータ:「六月も下旬に入ったというのに、脳内はやっぱり小春日和のようだね。それにしても、いつの間に数字を気にかけられるような知恵を身につけたんだい?」
エベル:「お、チビ! 久しぶりだな! お前、最後に遊びに来たのいつだよ!」
トータ:「たまには身長の話題から離れたらどうだい? それに、いつもわざわざこちらから出張してこちらまで足を運んでいるんだ、たまにはそちらから出張してきて欲しいものだね」
ユリ:「そうですね…大体、半年振りくらいじゃないですか?」
エベル:「半年もかよ! もっと頻繁に遊びに来いよ。そーいや、祭りは楽しんでるか?」
トータ:「どうして貴方の世界はそうも貴方を中心にしか回っていないのかな? お祭りは…そうだね、この華やかな雰囲気というものに、たまに憧れなくはないよ」
エベル:「ならもっと遊んでけよ! あそこの射的とかどうだ!」
トータ:「やはり、僕の言い回しは貴方には難解すぎるようだね。そもそも鉄砲というものは人を傷つける武器であって、玩具とはいえそれを模したものを使うのは野蛮としか思えないし、あんな子供騙しな景品に僕は興味がない。よって貴方と張り合って射撃なんてする趣味はないね」
エベル:「趣味がないなら作ればいいじゃんか」
トータ:「その発言は、何かがないならお菓子を食べれば良い、という発言と同レベルだとは思わないのかい。あぁ、まずもってそんな知識がなかったんだったね。ここに小学校でも設立してもらって、教養から学ぶべきだと僕は思うよ」
ユリ:「要するに、射的の腕に自信がないと受け取っていいですか?」
トータ:「僕の台詞のどこをどう取ったらそんな要約になるのかを、まず説明して欲しいね。大体ユリさん、貴方までもがそんな発言をする程の人材だとは思わなかったよ。僕はここのメンバーについての認識を改めるべきかも知れない」
エベル:「そっか、自信ないだけか! もしかしてやったことねぇの? 安心しろ、俺は自信ある!」
トータ:「…あぁ、よく分かった。その発言、後悔することになっても構わないね?」
ユリ:「大丈夫ですよ、エベルなので後悔しません」
エベル:「おう」
トータ:「どうしてそこでそうもあっさりと言い切れて尚且つ肯定できるのか、僕は理解に苦しむよ」


***
今回はメンバーが入れ替わりまして、秋待さん宅「弦月の仮宿」、「願望交換局」からトータ君が遊びに来てくれました! ありがとうございます。そして、トータ君のお相手はいつも通り、拙サイト「The Old Magic」のエベル(とユリ)です。
トータ君をお招きするのは久しぶりなので、あの独特な口調というか毒舌というか、の再現に不安がありましたけど、なんか、ノリだけで突っ走った割には大丈夫そう?(笑)
いつもながら、何か問題ありましたらご連絡くださいませ。

さて、某魔女に攫われて行った某僧侶サイドについてはさっぱり何も考えていなかったので、今から何か考えます(笑)

 




月影草