〜夏祭り@喫茶月影〜

アルト:「…で、こんな山奥に連れてきてどうするつもりなんだよ?」
リア:「うるさい人は嫌いですと以前言ったはずですが? また固定してしまいましょうか」
アルト:「うるさいっつか、ここに連れてこられた理由を知る権利くらいあるだろ!?」
リア:「知りませんね」
アルト:「知らねぇって何がだ、ここに来た理由か!? それともそんな権利の方か!? どっちだよ!」
リア:「そもそも今回のこの夏祭り会場は山奥にある訳で、そこから多少山奥に入った所で山奥は山奥で変わらないでしょう? そんなに騒がないでください」
アルト:「あーそれも…違う! あの会場を離れた理由を説明しろってんだ!」
リア:「別に?」
アルト:「理由なくここまで来たのかよ、お前は!」
リア:「気まぐれで行動してはいけないんですか? あなた自身、いつも行動が予定されているようには思えませんけど」
アルト:「悪かったな、いつもいつも感情で動いててっ。つか、そーじゃなくてだな…っ!」
リア:「だったら何ですか。いい加減大人しくしたらどうですか」
アルト:「大人しくって…っ。あー、もう、分かったよ、気が済むまで付き合ってやっから」
リア:「別に付き合って欲しいと言った覚えもありませんが」
(二人、木立を抜けて開けた場所に出る)
アルト:「へぇ、ここからだと街が一望できんのか。良い眺めだな」
リア:「ただの田舎じゃないですか」
アルト:「…(何か、怒らせた?)」
リア:「…」
アルト:「…」
リア:「…」
アルト:「…」

(ぱっと空が明るくなり、どーんと音が続く)

アルト:「あ、花火」
リア:「花火ですね」
アルト:「もしかしてお前、これを俺と見たくって…?」
リア:「自意識過剰じゃないですか?」
アルト:「じゃあお前一人で見てりゃ」
リア:「固定化します」
アルト:「Σ」
リア:「まったく、花火くらい静かに鑑賞できないんですか」



玉桜:「そっか、花火も終わりか…」
千秋:「『もう夏祭りも終わっちゃうんだ、楽しかったのに』?」
玉桜:「Σ」
千秋:「そーよねー、ハロウィンとかお正月とか、イベントもっと沢山やればいいのに」
エベル:「そしたら俺ももっと遊べるぜ!」
ユリ:「ビリヤード仲間だけでなく、射撃仲間ができて良かったですね、エベル」
エベル:「おう!」
千秋:「さっきどこぞの所長が嫌そうな顔して帰って行ったの、見えたのかしらこの二人」
雅沙羅:「見えなかったのかもしれませんね」
玉桜:「あ、雅沙羅! お疲れー」
雅沙羅:「いえいえ、私は何もしていませんよ」
クラウス:「ところで、あの後でアルト君とリア君を見た人はいるかい?」

(静寂)

クラウス:「…そろそろ、心配した方がいいのかな?」


***
参加してくださった皆さん、ありがとうございました!





月影草