それは、普通の喫茶店。

けれど一歩でも店の奥に足を踏み入れたのなら、

そこはありとあらゆる世界に通じているという。

ようこそ、喫茶月影へ。



風草:「…」
レイ:「…」
エリザ:「まぁ、おいしいお茶ね」
風草:「…ありがと。淹れたの、僕じゃないけど伝えておくよ」
レイ:「…」
風草:「飲まないの?」
レイ:「僕は、猫舌だから」
風草:「じゃ、そこにあるミルクでも入れればいいんじゃないかな、多少は冷めるよ」
レイ:「うん…ありがとう」
エリザ:「世界を渡るって、どんな感じなのかしら?」
レイ:「そんなに特別なことはないよ。ただ、光が周りを流れて…」
風草:「僕の場合は………」
レイ:「あれ? カゼクサも世界を渡ったことがあるんだ?」
エリザ:「二人とも経験があるのね羨ましいわぁ」
レイ:「僕たちだけじゃなかったんだ、そういう経験があるの」
風草:「…いや、意識は飛ぶし家族からは引き離されるし、いいことはなかった、かな」
レイ:「へぇ…行った先の世界のことは、なんて思った?」
風草:「え、いや、えっと…」
風花:「ちょっと、私の弟、いじめないでくれる?」
レイ:「え…いじめてなんて」
風草:「風花! それは被害者妄想って言うか、あれその場合は僕…あれ?」
風花:「ほら、いじめてるんじゃない!」
レイ:「むしろ今、更に混乱させたのは君…」
風草:「風花、落ち着いて、ね?」
エリザ:「あらあら、もう仲良くなったのね」
レイ:「な、仲良く…?」

***
ブログ交流企画 第八回、宵知さん宅「黒猫亭」にて掲載されている「バラ²−・ド・マップ」よりレイさんとエリザ博士をお招きしました、ありがとうございます。
拙サイトからは「君影草」より綺想姉弟。
もう彼らを覚えてある方なんていらっしゃらないんじゃないですかね、単発でしたし←
色々とネタバレするので多くは語りませんが、まぁそういうことです(何)





拍手お礼

風花:「ひっどーい。皆して私たちのこと忘れちゃってるなんて」
風草:「仕方ないよ、だって僕ら短編で、続編の予定もないし…」
風花:「そのこと自体がおかしいって言ってるのよ! 後から出てきた人たちなんて、ああやってさっさと続きを書いてもらえてるのに…」
風草:「どっちかっていうと、よく僕ら出してもらえたよね、今回」
風花:「…」
風草:「…」
風花:「そんなこと言わないのっ」





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