喫茶月影~時々お茶会~

ユリ:「…あ、雅沙羅さんは混ざらなくて良かったんですか?」
ハク:「そーいやお宅もなんか魔法みたいなもんがあるんだったか?」
雅沙羅:「魔法だなんて、そんなすごいものではないですよ。私はただ、霊たちの力を借りているだけです」
ハク:「ほー。属性みたいなのは?」
雅沙羅:「ありませんよ。お恥ずかしながら、私も彼らの力についてはよく知らなくて」
ユリ:「すごいとは思いませんか! 僕らの世界で言ったら、自然に協力してもらっているようなものですよ!」
雅沙羅:「そんなにすごいものでは。…あぁ、その場の『記憶』を引き出すのだと、聞いたことがあります」
ハク:「場の『記憶』って言うと?」
雅沙羅:「たとえば昔、その場で大火事があったとします。『場』はそれを覚えていて、霊はその『記憶』を引き出すことで現在に炎を呼び出すことができるそうです。霊である彼らにとって、時間というものは非常に曖昧なものらしく――だからこそ、そんなことができるのでしょうね」
ハク:「全く違うな」
ユリ:「全然違いますね」
ハク:「ということは、術者の力量は関係なく、術を行使する場所が制限をかけてくるって事か」
ユリ:「ならば勝敗を決めるのは、いかに早く、いかに強く、その記憶とやらを引き出せるか、ですね」
雅沙羅:「それもですが、協力していただく霊の人数も関係してきます」
ハク:「はっ、人海戦術ってことか?」
ユリ:「多くを味方につければ、それだけ力も強くなるということですか」
ハク:「力で争うところに、人望が必要とはな」
雅沙羅:「盛り上がってあるところを申し訳ないのですが、そもそも霊との意思疎通ができる人など限られていますし、霊も余程のことがなければ干渉しませんので、この力が行使されることなどありませんよ」
ユリ:「そんな、なんてもったいない!」
ハク:「そーだそーだ。宝の持ち腐れって知ってるか?」
雅沙羅:「現代には科学という『力』が存在します。ならば霊の『力』は無用の力でしょう。彼らも、争いは好みませんので」
ハク:「まー、これから花開いていく力と、今が絶頂の力、それに衰退していく力があっても不思議じゃないな」
ユリ:「それはそうですが…」
ハク:「時代の波には何も逆らえん」
雅沙羅:「残念そうですね、ユリ。ですが時代の流れとはそういうもの。神も妖も忘れて、人は未来を目指すものではありませんか?」
ハク:「魔法理論の話題でしんみりさせるな(棒読み)」
ユリ:「…あれ、しんみりされてたんですか?」




***
今企画にてコラボさせていただいているレイさんがなんと、謎テーブルの続きをやってくださったので、打ち返し。
レイさん宅のブログで、ハクさんとユリが語っておりますので、興味のある方は是非見に行かれてください。
拙宅「The Old Magic」の魔法理論も存分に語られてしまいましたので、お茶を優雅に啜って議論に参加していなかった雅沙羅に今回は語っていただきました。
いや、メインで盛り上がっているのはユリとハクさんですが(笑)
そう、彼女が所属する「Eternal Life」にはこんな裏設定があったんですよ。最後の最後まで出ずに終わりましたけどね。





拍手お礼

マリキヤ:「魔法理論っていうとさぁ、僕も参加できるはずなんだけどー?」
ティルラ:「だから?」
マリキヤ:「君たち二人もだよねー。何で僕らは呼ばれないのかなぁ?」
ティルラ:「そんなこと」
マリキヤ:「どーでもいいって? いーなー、そうやって言い切れるヒトって。やっぱ出番が多いと違うねー」
ティルラ:「出番は関係ないでしょう」
マリキヤ:「あ、確かにそーかも。出番多くても出番ないって嘆いてるヒトとかいるもんねぇ」
エベル:「お前、なんでそこで俺を見るんだよっ」
マリキヤ:「やだなー、丁度そこにいただけじゃないか。自意識過剰だよ」





月影草