それは、普通の喫茶店。

けれど一歩でも店の奥に足を踏み入れたのなら、

そこはありとあらゆる世界に通じているという。

ようこそ、喫茶月影へ。



紗綾:「じゃあ本日の議題は『放浪癖って困りますよね』で」
茘枝:「Σなにその議題!?」
紗綾:「じゃあお伺いしますが瑕瑾さん、剣術については語れます?」
茘枝:「無理です、すみません」
六花:「もしかしてそっちにも、放浪癖がある人いるの?」
茘枝:「瑠璃が」
紗綾:「父が」
六花:「へぇ…苦労してそうだね、二人も。こっちも師匠が」
紗綾:「どこに、いつからいつまで、何の目的で行ってくるのか、行く前にはっきりしていただきたいですよね」
六花:「本当本当。それか一緒につれていってくれるとか」
茘枝:「…それは私、なんだか足手纏いになりそうだからやめとく。でも二人なら、ねぇ」
紗綾:「消える方は、消えられる側のことを考えたことがあるんでしょうか」
六花:「さあ? 消えても大丈夫って思うからいなくなるんじゃない?」
紗綾:「その思いこみがまずもって大丈夫じゃないと…」
茘枝:「紗綾…ちょっとストップ」
紗綾:「はい?」
茘枝:「今日のゲストって誰だったっけ」
紗綾:「六花さんとキリクさんでしょう?」
茘枝:「キリクさんって、六花さんの師匠、よね?」
六花:「はい、そうです」
茘枝:「実際に放浪癖のある人の前でこの議題って…」
紗綾:「ただの八つ当たりですので、お気になさらず」
キリク:「一体どんな反応をすればいいのかな?」

***
六周年記念企画ラストの今回は、宵知さん宅の短編小説「剣をもって舞え」より六花さんとキリクさんをお招きしました。
拙サイトからは「暗黒の雲」より紗綾ちゃんと茘枝。
…おかしい。紗綾ちゃんは一体いつからこんなキャラに…。常識人ではなかったんでしたっけ、彼女(待)
そしてキリクさんの扱いが酷くてすみませんorz





月影草