2013クリスマス・ブログ間交流企画「行ったり来たりクリスマス」
 「月影草」編 〜サンタクロースをやっつけろ!〜

レオン:「…」
ユリ:「あれ、父さん、一体いつ帰って来てたんですか? いつもは派手にエベルと合流しているのに、今回は気付きませんでした」
レオン:「あぁ……エベルにはまだ会っていなくてな?」
ユリ:「というかどうしたんですか、そんなにぼろぼろになって? そんな激戦地区から帰って来たんですか、今回は」
レオン:「いやぁ、なかなかの逸材が揃っていたな…(遠い目)」
アロイス:「ユリ君。君の父君は実は昨日帰って来ていたと知っているかな?」
ユリ:「昨日? いえ…というか昨日まで一日中エベルに付き合って防壁の上にいたので気付きませんでした。…いやまさか」
レオン:「…」
アロイス:「そのまさかだと言ったらどうするかね?」
ユリ:「自業自得でしょう。エベルにあんなことを吹き込んだのは父さんです」
レオン:「そんなこともあったっけか(棒読み)」
ユリ:「そうですよ。その手の嘘は一度信じたら一切疑わないのがエベルだって、父さんだって知っているでしょう」
レオン:「そろそろ忘れる頃合いか、そろそろ信じなくなる頃合いかと思ったんだが…」
ユリ:「そう言って父さん自身そんなこと言ったのを忘れていたんでしょう。甘いですよ、相当に。それに、何もわざわざ赤い服を着て防壁を越えようとしなくたって、普通の格好で普通に門を抜けてくれば良かったものを…」
レオン:「それでは夢がないだろう! まったく、うちの息子ときたら何も分かっていない。父さんは悲しいぞ」
ユリ:「父さんはそろそろ夢を追いかけていないで身を固めてください」
アロイス:「まぁまぁ、ユリ君。その程度にしておこうとは思わないかね」
ユリ:「僕としては、たまに顔を見せた時にくらいしっかりとお灸を据えておきたいんですが」
アロイス:「気持ちは分からなくもないがね、レオンは自分の夢を追いかけたのではなく、君たちに夢を見せたかったんだ。まぁ、やりすぎだろうとは私も思うがね」
レオン:「そんなことはないぞ。いつまでも子供心を忘れないのが男ってもんだ。…アロイス、最後の一言は余計だとは思わないか?」
アロイス:「何がだね?」
レオン:「…」
ユリ:「父さん…後でエベルに真っ当なクリスマスと、真っ当なサンタクロースというものをしっかりと教え込んでおいてくださいね? そうすれば僕も、毎年毎年冬のこの寒い最中に防壁の上の吹きさらしでほぼ一ヶ月待ちぼうけする真冬の恒例行事から逃れられますので」
レオン:「ユリ…親友は大事にしないか」


***

怪しい人影の正体はレオン父さんでした☆
というネタバレをして、今企画は終了です。
参加してくださった皆さん、ここまでお付き合いくださった皆さん、ありがとうございました!





月影草