「あの暗号、解けなかったって言う苦情を多数もらったんだけど、雅沙羅はどうやって解いたのかしら」
「……まぁ、瑠璃さんも雅沙羅さんも一般人とはかけ離れた頭脳と思考をお持ちですからねぇ」
「うーん、それで納得できるようなできないような……」


ということで解答編です。
生化学の専門知識をフル活用したので、どこまで理解していただけるか…(汗)

元暗号
     UGUACUCAAUCGGAUGUUUAUCUUCACGCACGCUAACAAUAUCGUAAGU
     GCGAUUCGUCAAUCUCGCCGACGUCGGCUAAGACUGCCACUAACUCAUC
     GUUCUUCCUCUCCAGGUCGAACGGUCAGCUAGGUACACGUAAGUGCGAU
     UCGUCAAUCUCGCCGACGUCGGCUAAGACUGCCACUAACUCAUCGUUCU
     UCCUCUCCAGGCACGCAAACAAAUCGUGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA


*着眼点1
全体を通して含んでいる文字は、U・A・G・Cの四文字。
→これはRNAである。

*着眼点2
最後にずらりとならんだA。
→これはmRNA(メッセンジャーRNA)である。
mRNAとはたんぱく質を作る際にテンプレートとなるRNAで、mRNAの配列はRNAコドン表を使ってアミノ酸配列に置き換えることができます。
この時アミノ酸配列には、一文字の略を使ってください。(Phenylalanineならば「F」)

*着眼点?3
着眼点2でも述べた通り、このmRNAには最後に複数のAがついています。
これは真核細胞(核を持つ細胞)のmRNAの特徴で、簡単にここで必要な結論だけを述べますと、mRNAの中にアミノ酸として置き換えられない部分が存在します。
助っ人として呼ばれた雅沙羅が消したのがこの部分で、
     GUAAGUGCGAUUCGUCAAUCUCGCCGACGUCGGCUAAGACUGCCACUAAC
     UCAUCGUUCUUCCUCUCCAG(×2)
が消された配列(だと思います)。
この辺りの外し方もなくはないのですが、面倒なので割愛。
外した後が2ページ目の暗号
     AUGUUUAUCUUCACGCACGCUAACAAUAUCGUCGAACGGUCAGCUAGGUAC
     ACGCACGCAAACAAAUCGUGA
になります。


ということで、基本的にあの暗号を解いていただくには、2ページ目の暗号の最初から三文字ずつを、リンクを繋げておいたコドン表にて対応する一文字ずつに置き換えていただければ解けるもの、だったはずです。

2ページ目の暗号を解くと
     MFIFTHANNIVERSARYTHANKS
になりますが、この最初のMはヒント2にもある通り、外してください
この辺りもまた面倒な生化学の謎になるのですが、たんぱく質合成はMから必ず始まるにも関わらず、Mは残されたり外されたりする不思議。

ということで、解いた暗号は
     FIFTH ANNIVERSARY THANKS
に、なるはずです。

先ほどから「はず」を連呼しているのは、自分でも打ち間違えなかった自信がないからですorz
もしかしたらどこかでミスしていて、全く意味のない羅列になっていたのかも…そんな状態だったら本当に申し訳ないです。


分かりませんでした、とのコメントを多くいただいたので解説させていただきましたが、ぶっちゃけ「瑠璃に専門の話をさせたら、誰もついていけないよね」というのをやってみたかっただけなので、暗号の辺りは軽くスルーしていただけたらなぁなんて…虫がよすぎますか、本当にすみませんでした。
SNSで宣伝させておいてもらいながらあれなのですが、一人二人覗いてくださったらいい方かなとか甘く考えてました。ごめんなさい。
う、嬉しい誤算といっていいのか…?


と、いうことで。
こんな無駄な方向に専門知識を駆使したことが教授にバレたら黒い笑顔が素敵に輝きそうだとか思いつつ。
挑戦してくださった皆さん、ありがとうございました。




月影草