「えっと…『FIFTHANNIVERSARYTHANKS』?」
「……どこかで切れるんじゃないですか?」
「そんなの分かってるわよっ。どこで切れるのか分からないから困ってるんじゃないっ。そういうあんたこそ手伝ってよっ」
 無茶言わないで下さい、とユリは頬杖をつく。
「異世界の言語なんて僕が知っているわけないでしょう」
「じゃあ今喋ってるのは何。……あぁ、こうかな、『FIFTH ANNIVERSARY THANKS』。えぇっと、訳すと……」
「五周年ありがとうございます」
 涼しげな顔で、いつの間にか戻ってきていた瑠璃がさらりと言い放つ。
「珍しく上からの頼みで、それを言ってこいって言われたの」
「……それって」
 千秋の声のトーンが下がり、今にも掴みかかりそうな勢いで瑠璃に食ってかかった。
「こんなまどろっこしい暗号だなんて、解かせなくたってよかったんじゃないのっ!?」
「当然でしょう」
 あっさりと言い放たれてはそれ以上言い返すきにもなれず、千秋はどかりと椅子に座り込む。
「あー、もう、無駄な労力使ったぁ」
「自業自得でしょう……」
「何か言った!? 大体ユリはほとんど見てるだけだったじゃないっ」
「専門外ですから」
 にこやかに言い切られ、千秋は再び深いため息を吐いた。





ということで五周年です、ありがとうございます。
そういえば瑠璃は自分の専門について語ったことがないなぁと思ってしまったのが運の尽き、こんなものになって帰ってきました(笑)
無駄な労力を使わせて申し訳ない。
こんなページまで辿り着いて下さった皆様には何かお礼をば…
………
……と思って悩んだんですけど、何がいいんでしょう。
とりあえず拍手は置いておくので、ツッコミなりリクエストなりありましたら、お気軽に放り込んでやって下さい。
それでは、ここまでお付き合い下さった皆さん、ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!




月影草