4567Hitのキリリクで、「魔法使いが主人公の話」とのリクエストをいただいたのが、このシリーズの始まりです。その当時書いていたのが「暗黒の雲」や「Eternal Life」やらで王道ファンタジーからあまりにもかけ離れていたため、まともな魔法ものが書ける訳もなく、こんな魔法を使わない魔法使いの話が出来上がりましたとさ。
 短編連作でなんとなく続いているこのシリーズ。裏設定どころか設定がほとんどありません。ならば何を書くことがあるんだと言われれば、まったくもってその通りなのですが。まあ、魔法の設定くらいはまとめておくか、ということですね。作中では解明されておらず、また解明されることもありませんので、こういう場くらいでしか日の目を浴びないんですよね。

 そんなこんなで、魔法設定です。

 世界には「カミ」と呼ばれる自然の意識体が存在します。まぁ、これは精霊のようなものと捉えていただければ。そのカミに指令をくだし、カミに実行してもらうことで魔法は発動します。
 問題なのはここから。意識体なので当然カミ自身にも意思がありますので、彼らがやりたくないこともあるわけです。そんな彼らを上手く使いこなすのが、良い魔法使いの条件。下手な指令を下し、カミから反感を買うと、逆に己の身体を乗っ取られ「魔物化」します。
 ちなみに。カミからすると、彼らに敵対するのは無理に自分たちを行使しようとする魔法使いのみなので、実は一般人に対しては無害だったりします。ただし、一般人も魔法使いも混じって生活していますので、これが明らかになることは、少なくともこの時代にはないでしょう。

 作中に出ました通り、二通りの人種が存在します。あの白い花の香りを感じる人種と感じない人種。
 あの花の香り成分は人の血液中に蓄積されていく性質があります。この物質の血中濃度が低いほど、香りに対して敏感になります。なお、この物質がいわゆる魔法発動の媒介になるので、濃度が高い方が魔法使いとしての素質も高いこととなります。
 作中でユリが香りを感じていないように、彼の血中濃度は高いです。なぜならば、ブラントミュラー家は代々の魔法使いで、代を重ねるごとにその濃さを増してきました。
 一方フィードラー家は、この物質の蓄積は皆無です。エベルは突然変異。先の物質は濃度が濃くなると特定の遺伝子を変異させます。彼はその変異を持っているため、一般人の家系出身でありながら魔法の才があったんですね。某一件で香り成分を大量に摂取したため、今は感じません。

 あ、話の中でサポートメインだとか攻撃専門だとかという言葉が出てきていますが、攻撃魔法・防御魔法といった魔法の系統があるわけではなく、性格が攻撃的だからそもそも攻撃する方が得意とか、そういう意味です。
 精通している属性も、ただの相性。風に精通しているからといって他の属性が全く使えない訳ではなく、多少は使えたりもするんですが、リスクが高すぎるために使うことはない、という感じ。

 以上が魔法設定です。
 どう頑張っても血中濃度とか遺伝子とかの話なんて、この話の中に出せる訳がありませんね(笑)

 以下、登場人物の設定を大雑把に。


 ユリアーン・ブラントミュラー(Julian Brandmüller)
 通称:ユリ
 全属性に精通・サポートメイン。
 現在は魔法の何たるかを研究。

 エベルハルト・フィードラー(Eberhard Fiedler)
 通称:エベル
 風に精通・攻撃専門。
 街の防御にあたる。

 ヴィルヘルム・ケーラー(Wilhelm Köhler)
 通称:ヴィル
 炎に精通・攻撃専門。
 街の防御にあたる。

 ジークリード・イェーリス(Siegrid Jöris)
 通称:ジーク
 地に精通・サポートメイン。
 街の防御にあたる。

 アロイス・ローレンツ(Alois Lorenz)
 地に精通・サポートメイン。
 街の防御・全体を指揮している。

 レオンハルト・ブラントミュラー(Leonhard Brandmüller)
 炎に精通・攻撃防御なんでもありな気がする。
 あ、この人は行き過ぎて光くらいまで使えそうな気がします(待)
 現在は旅に出ておりほぼ不在。


 最後に。
 拙サイトは最初に描いてくださった方のイラストが容姿の公式設定になります。ユリ・エベル・ジーク・ヴィルの四人はイラストを描いていただいたので、彼らの容姿はそちらでご確認ください(笑)



創作裏話
月影草